2011年9月18日日曜日

吉祥寺


朝夕は少しずつ秋めいてきていますが、日中はまだまだ残暑が厳しいです。
最近よく自転車置き場でカマキリを見かけるようになりました。こんなところにも秋の気配が。

昨日、母と吉祥寺に出かけました。勤めている会社の催事が吉祥寺の駅で行われているので、それを一緒に見に行きました。
吉祥寺に行くのはすご〜く久しぶりです。駅に着いてみると人・人・人!
催事はとても好評のようで、皆さんとても忙しそうでした。母も人の多さに驚いていました。
たくさんの方に見ていただけて、とても嬉しいです。

吉祥寺の武蔵野市立吉祥寺美術館で、大好きな版画家の南桂子の展覧会が行われているということで、母に付き合ってもらって行ってみることにしました。
この美術館は、商店街の中にあるコピス吉祥寺という商業施設の中にあり、入館料はなんと100円でした!展示室はこじんまりとしていて、美術館というよりはギャラリーのような感じ。企画展示室のほかに、版画家の萩原英雄と浜口陽三の展示室がありました。

浜口陽三の作品は、学生のときの銅版画の講義で初めて見ました。
このとき初めてメゾチントという技法について知りました。真っ黒な色がとても手のこんだ手順で表現されていることを知り、黒のなかにこめられている想いのようなものを感じました。

南桂子は、その奥様でもあります。少女や鳥や植物などが、かろやかでやさしい印象の画面のなかに描かれていますが、悲しさや孤独感などの物語も感じさせる作品です。
今回初めて作品の現物を見ることができましたが、とても繊細な線で描かれていて、その線の集積がひとつのものを深く表現しているように見えました。
変わらないモチーフを何度もずっと描き続けたという点がとても興味深かったです。
作品の銅版、油彩やエスキースも展示されていて、作家の制作の幅を感じました。
特に、版画を始める前に描かれたという油彩画は、その後の作家の世界観を垣間見せる作品でした。
一緒に行った母も、「こまいねえ〜!」と言って線の細かさに驚いていました。
版画のやり方もちょっと説明したら、ただ作品を見るより面白く見れたようです。
楽しんでもらえたようで、良かったです。

今回生誕100年ということですが、今見てもまったく古さを感じさせない作品です。
100円で見れるなんてとってもお得だなと思いました。ミュージアムグッズもかわいかったし!
欲しかった画集も購入できて、とても良い休日を過ごせました。

次回吉祥寺に来たら、今度は井の頭公園を散歩しようねと母と話をしながら帰路についたのでした。